2013/07/31

オーダーメイドでモノヅクリ

オーダーメイドで眼鏡を作りました。
という話からオーダーメイドついて思う所を長々と。
話が脇に逸れ続けるのはいつもの事。


普段使っている眼鏡がそろそろ限界に近づいてきて、
作るなら今度は量販店じゃなくてオーダーしたい! と思い、

堺のハンドメイド眼鏡屋さん、Factory NAPさんにご相談。


僕はヤナギハラ。
眼鏡です。

店はヤナギ ウッドワークスです。


「メガネヤナギ」 という植物がありまして、

5.6年前に篠山のとあるお店で売っているのを見て、いつか育てたいな、と。

今は店で育てています。クルクルしてます。

店の名前に「ヤナギ」はどうしても入れたかった。

英単語で恰好良くするよりも
「ヤナギさんのとこ」って呼ばれる方がいいなー、
というのも1つ。

風が吹いたら風の吹くままにそよぐ、
そんな感じが自分らしいんじゃないかと。

しっかりとした揺るがない太い幹を持って、まっすぐに高く伸びる。
でもそれだと迷いが生じたり、
風向きが変わった時に、以外と脆いかも。
折れちゃうかも。
第一そんな生き方は何か似合わない。

僕は名前の通り、揺らり揺られながら、その時々で適した応えを求める、「適当」でありたい。
風の吹くままに揺られても折れないのは芯はしっかりしてるから。そんなイメージ。

「柳に風」っていう故事も好き。


というわけで、基本は黒縁+メガネヤナギをイメージして作って頂きました。




良いでしょー! 一目で気に入りました。



完成まで現物見れないオーダーメイド。

同じオーダーモノの仕事をしているのでよく分かるんですが、
納品の際に初めて現物をお見せする時、めっちゃ緊張します。

打ち合わせで出来る限りイメージして頂けるように工夫はするんですが、
やっぱり現物を見ない事には分からない。イメージはどこまでいってもイメージ。

「そうそう!こういうの欲しかってん!」「思ってた通り!」そう言って頂けるとほんとに嬉しい。


先日完成したホームページ
こちらは奈良県橿原でオーダー家具や木の小物、ワークショップもされています
十八製作所さんにご相談させて貰い、お願いしました。

その時にも思った事。

纏めると、オーダーメイドは面白い。難しい。そして「人」。


HPもメガネも、当たり前だけど僕は素人。全然知識もないし、
こんなのがいいなー、っていうイメージも漠然としたモザイクがかかったような状態。
そこからお話しをする中で、どんなのが欲しいのか、何が必要なのか、理想の形を探していく。
プロの方はそこである程度はっきりしたイメージを作れる。それをお客さんに伝える。
けど、お客さん側の描くイメージはどこまでいってもまだまだぼんやりした状態。
実際見るまで分からない。 
だからオーダーメイドはリスクもあると思います。
実物を見て買うのが一番分かり易いし失敗しない。

それでもオーダーで作りたい理由がある。

眼鏡も。HPも。完成したのを見た時に僕は
「そうそう! こういうの!」ってなったわけです。頼んでよかった!って。

どんなモノが欲しいのか、漠然とはイメージできてもハッキリは分からない。
それがオーダーして、プロの方に相談することで具体化する。

勿論、オーダーでなくても市販のモノで理想の形に巡り合えたら、それでも十分なんだけど、
別注で作ると自分では気付かなかった、見えない理想の形に辿り付けたりする。
だからオーダー面白い。1点モノっていうだけじゃない面白さがある。その分リスクもあるけど。
「全部おまかせで!」
完成が全く予想できないからこれが一番面白くて、一番リスクも高い。
造る側にとっても一番楽しくて、一番怖い。
造り手とお客さん、信頼関係がないとなかなかできない。



極端な話、理想の形がすっかりイメージできていて(例えば図面まで書けるような状態なら)
技術の差で多少の違いはあるにせよ、誰に頼んでも概ね満足いくものができるんじゃないでしょうか。
そんな場合でもお客さんの完成されたイメージを超えるのがプロ。
それを目指さないといけないのも勿論の事。
でも大抵の場合はイメージから一緒に作っていく事の方が多い。

今回のオーダー、僕の場合
HPなら「シンプルで写真がドーン、で見易い感じで」
眼鏡は「落ち着いた色で形も奇抜ではなくて、でもどこかに遊びを入れたい」

こんなおおざっぱなイメージ。
ここから打ち合わせをして、理想の形を探して行くとなると、お願いする「人」次第で完成系は全く違うモノになる。

オーダーをお願いして、色々考える中で少し頭をよぎったのが
「僕がもっとイメージを上手く伝えることができれば、もっと良いモノができるのでは?」ということ。
イメージをお伝えしようとしても上手く表現できない。ハッキリしない。
もっと上手く伝えたい、と思うけど難しい。
良いモノ作るにはお客さん側の「伝える技術」も必要なのかな、、とも思ったんですが、

違う。

それは造る側の仕事。

どんな家具が欲しいのか分からなくても、そこから理想の形を見付けて頂けるように。
技術や知識、センスで勝負できる人もいるけど、僕はたぶんそうじゃない。
ナチュラルもアンティークも、モダンもレトロも。リペアもメーカー品も小物も。
自分の色を出すよりも、流れるように何でもやります。

1色に染まらず、どんなご要望にも応えられるように。
どんな家具が理想なのか、イメージして頂けるような提案ができるように。


デカい事言いつつ、まぁとりあえずはボチボチと。

来年はフジロックにも行けるように。ぼちぼちと。


 

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