2013/11/08

文学のお話。

今月の文芸各誌が届きました。

新潮が相変わらず面白そう。
文學界新人賞の選評、チラっと見たら高評価っぽいのでこちらも楽しみ。






































年明けには芥川賞候補が発表。

前にも書いたけど今回は早々と、
小山田浩子 「穴」 
一本に絞ってます。
ちょっと引っ掛かるのは女性が3回続いてる事くらい。

一方、毎回なかなか当たらない候補予想。

年末までに読み直したり、
読んでないのもたくさんあるからチェックしようと思ってたら、

新潮に 黒川創 「深草稲荷御前町」 (110枚)
群像に 広小路尚祈 「じい」 (110枚)

賞取りに来た!って感じの2作が載ってます。
読むの楽しみ。


作品を検索していると、たまーにですが、
感想や批評めいたモノを書いているブログを見付けたりします。

自分と感じ方や読み方が違ったり、すごく面白い。

僕は作品そのものに対する感想はあまり書きません。
分からないから。文学としてどうとか、技術的に優れているとか。

気に入らなかった作品をボロクソ書いたりしてる人もいて、
そうやって嫌いなモノをはっきり言えるのは凄い。

好きなモノを語るのは容易いけど、嫌いなモノを語るのは難しい。
点数付けて偉そうに玄人気取りかよ、そんな風に思われる。
そういうブログ読むと思うしね、実際。


1人でも多くの方が純文学に興味を持ったり、読むきっかけになればと思って感想を書いている。
合わせて駄作は駄作として、見て見ぬ振りはせず、個人的観点からちゃんとこき下ろす。

よく見ているブログで書かれていたスタイル。

楽しく読んでます。愛に溢れてます。凄い。

書かれている方は掲載作への不満、その他諸々から某文芸誌を買わない事にした、と書いていました。
僕も似たような理由で「すばる」はよっぽどじゃないと買いません。
そういう拘りというか、偏屈なところ、良いなー、と思う。

好きだからこそめちゃくちゃ嫌いになる、っていう。

「どうでもいいやん」では済ませられない。


king brothersという昔から大好きなバンドがいます。
地元が近いのもあって、昔からよくライブに行ってたし、色々観てきた。
ヒドいライブやったけど最高に恰好よかった。



いやー、、ひどいわ。最高やわ。

東のミッシェル、西のキンブラ と呼ばれた時代も遠い昔、
インディーながらボチボチやってて、昨年再度メジャーに復帰。

「西宮北口の交差点、ミスタードーナツのそばの踏切で
 悪魔に魂を売り渡してロックンロールを手に入れた男」

でお馴染みの某メンバーが
ロックンロールをどこかへ売り渡して何か別のモノを手に入れて、
今や人気者でございます。
おかげでking brothersは今や解散休業状態でございます。

彼が作る音楽、曲自体は嫌いじゃない、カッコイイと思う。
けど「こんなもの聴いてたまるか」と思わずにはいられない。

偏屈的な愛故に。



文学に対してそこまで言えないのは愛が足りないからかも。
そこまで言えるだけの自分なりの裏付け、答えがないからかも。

「なにが嫌いかよりなにが好きかで自分を語れよ」
という某漫画に出てくるらしい言葉が大嫌いです。

好きなモノ、好きな事を言うのなんて容易い。
嫌いな事を言うと敵も作るし、批判も浴びる。誤解もされ易い。
言わなきゃいいのは百も承知。触らぬ神に祟りなし。

それでも「嫌いだ」と言うには理由と覚悟がありまして、
だからこそ、何が嫌いなのか、そっちのほうにも本質がある。


話を戻すと、
僕は純文学作品が好きで、
駄作であっても何でこれが評価されんの? とか、誰がこの作品を推してんねん、とか。
文学界全体を眺めて楽しんでいます。

そのへんが1番グズグズしてて面白いのが芥川賞。

予想したりグズグズ書いてるのも、
そういう面白さが少しでも伝わって、読んでくれる人が増えるのいいな、という想いから。
っていう大義名分を今思い付きました。

ウソです。本の話できる友達がいなくて、吐き出す所が無いからです。


小山田浩子さんの作品はとにかく描写が上手い。
「穴」はテーマも面白いけど、
ファンタジーでサスペンスっぽいのに舞台はおもっきり日常っていう恐ろしい作品です。
ちゃんと文学、ちゃんと面白くて、ちゃんと読みやすい。 珍しい作家さん。


中村文則の新刊 「去年の冬、君と別れ」 
こっちはほとんどミステリー。
作品としての評価や感想はいつも通り置いといて、

中村文学の楽しみ方について。

2005年に「土の中の子供」で芥川賞受賞。
作品を評した際に、闇とか狂気とかそんな言葉で語られる事が多い作家さんです。
内に籠もる狂気と世界とのバランス、そんな感じの作品が多い。
重い、暗い。救いがない。

2009年の『掏摸(スリ)』 2010年の『悪と仮面のルール』 
この辺からだいぶ面白い事になってます。

『掏摸』 はエンタメ小説だと言ってもいいし、
『悪と仮面のルール』 はもうライトノベルに近い。
邪の家系とかね、囚われの少女とか、最後は純愛っぽくなって。

絶対わざとやわー(笑) と。

ほんで今回はミステリー。
どの作品も独特の世界観と主題からは外れない。
いわゆる純文学じゃない土台に自分の世界をぶっ込むんで、
かつ文学として成り立たせる。 っていう試みじゃないかと思ってます。

古典文学好きが読んだら「なんだこれ!ラノベじゃないか!」って言うかも。
でもラノベ好きが読んだら「文学も面白いかも!」ってなるかも。

1つの作品だけでは分からない面白さがある。
すごく挑戦的で面白い。次は何を書くのか、楽しみになる。

もう次がなんだコレ?みたいな駄作であっても面白い。
昔みたいにひたすら重苦しいのも読みたいけど。



先月掲載の 綿谷りさ 『いなか、の、すとーかー』

最初のほうで一回読むの辞めようかと思った。
若い成功者とその幼馴染がイチャイチャしてる話を甘ったるく書かれても、、
いやでも綿谷さんがそんなしょーもない話書かんやろ、で読んでみると
なるほど、面白い。わざとや。これもサスペンスや。
ご自身がストーカー被害に悩まされていた事も含めて、
最後の落とし所とかね、面白いです。



作業の休憩に書きはじめたら長くなったので作業に戻ります。。

家具の話一切なし!
今日のBGMはこちら!

The Avett Brothers / Moning Song





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