2017/05/23

センス・オブ・シェイムの話

SALEが終わりました。ご来店、お買い上げ頂いた皆様ありがとうございます。

前々からUSEDリメイクとオリジナルのオンラインショップを計画していて
SALEでモノを減らしてから手を付けようと思ってたんですが、、

修理依頼の家具が大量でして2階、3階が家具でパンパンになっております。
こうやってなかなか手を付けれず気付けば数年経ってたりするわけで、
まぁ片付けながら少しづつ進めていきます。



この天板でカウンター造ってや! という豪気なご依頼。
長さ2300 幅900 厚130 巨大な欅の1枚板。







































こちらは時代箪笥。 他にも桐箪笥、整理箪笥などなど纏めてリメイク&修理のご依頼。
明治時代から受け継がれている家具類を現役で使われている。

煙管(キセル)の煙草盆は頂ける事に。嬉しい。
お客様の祖母さんが使われていたみたいです。
家事の合間に時間が空くとこれを持って縁側へ行って煙を燻らせていたとか。

暖簾くぐると店主が畳の上で煙管加えてパソコン叩いてる、みたいな感じの店にしたい。
今の時代じゃ無理やけど。 そんな店に綺麗な家具置いてたら素敵やのに。











































































オール讀物にこんなエッセイが載っておりました。

酒井順子 「センス・オブ・シェイム 恥の感覚」
中年とSNS -なぜフェイスブックは恥ずかしいのかー
 
http://bunshun.jp/articles/-/2277


このエッセイ、その通り! って思うかと言うとそうではなくて。
酒井さんは僕より15歳年上なのでそのへんの世代感覚もあると思う。

自慢したい!っていう抑圧されていた欲求、潜在意識がそうさせているんだ!
30代の僕ら世代だとそういう感覚は薄い、下の世代だともっと。
今の10代なんかは小さな頃からSNSがあるんだから抑圧なんてされてないし
当たり前にみんながやってるから載せるだろうし、もっと単純。


例えば、

旅行に行って美味しい物を食べたよ、ここに行ったよ。
帰って来たら友達や同僚に話す。話題として。コミュニケーションとして。
SNSも同じ感覚。ただの話題。コミュニケーション。
若い世代になればなるほど自慢したい!っていう意識は潜在か自覚しているのかは別にしても
どちにらしても薄い。

けど「コミュニケーションだよ」ってそれも結局は言い訳です。 

まぁそれはええとして、
僕が引っ掛かってるのは『我褒めは恥だ』ってとこ。


恥だと思うが承認もされたい。そのバランスが透けて見えるから面白い。
同時に自分はこんな自慢がしたくて、こんな事を承認されたいんやな、と気付かされる恐怖。


こうやってblogだと色々書ける。エッセイなので。不特定なので。
けどSNSはずっと引っ掛かりを抱えて使っている。

お店やってるとSNSを何もやりません、っていう選択はなかなか難しい。
検索でも引っ掛かるし簡単にアピールも出来るし、認知して貰える可能性上がる。
お金かからなくて宣伝効果が少しでもあるならそりゃするでしょ。
SNSもblogもHPも無い店って信用に欠ける時代。当然。

ほんとはやりたくないけど仕事だからやってんねん、っていう大義名分。
これも都合の良い言い訳。

それで自分を騙してるけど、たぶんお店やってなくてもやってる思うんすよ、SNS。



美味しい物を食べたり、素敵な場所に行ったり、子供が可愛いかったり、

それを投稿したい、って思う。 自然な感情。

なんでそう思うのか自問する。 

悪い事ではないし責められることでもない。

自分がどんな事でイイネって言われたいのか、分からされる怖さ。

『承認欲求』 そりゃだれにでもある。
あえて「そんなもんは恥だ!」 と強く言うなら、それってむしろ裏返しなんちゃうかと思う。
承認欲求が強すぎるあまり、投稿して思うような承認が得られない時に傷付くのが怖い。
ならば最初から放棄してしまう事で自分を守ろう、っていう。

でも一方で、
前に書いた「年相応である事のカッコ良さ」みたいなモノもある。

「若者文化のSNS、中年やけど俺めっちゃ使っちゃうし。適応していくし」 
それがめっちゃダサい。 だから使いません!っていう。

僕はLINEを使ってません。不便やから使え!とアホほど言われるけど。
この前友達と集まった時に同じくLINEやってない友達が居て
そいつが 「LINEとかロックじゃないから使わない」とか言ってて、
どうしようもないな、と思うけどそういう事です。ちょっと違うか。


我褒めは恥だ!にまつわる過剰な自意識と承認欲求の狭間で
「商売だから仕方なくだ!」という言い訳を駆使してやってるSNSがこちらです。

https://www.instagram.com/yanagi_woodworks/
https://www.facebook.com/YanagiWoodworks/

商売ならそんな拘り捨ててビジネス的にやれよ! なのですがそれもできない。

これはこれでダサい。けどダサイから良いのです。

自慢でもコミュニケーションでも表現でも仕事でも何でもええやん
好きにしたらええやん

って思うでしょ。 その通り。
それで終わるなら何も面白くない。

好きだから好き、嫌いだから嫌い、それじゃ思考停止。

好き!嫌い! って思う自分を疑ってみる。
本当は深層心理で羨ましいと思ってるから嫌いなんちゃうか?とか。
好きやと言う事で何か守ろうとしてんちゃうか?とか。


直観で思った事を信じない。 背景を、理由を考えると見えてくる何かがあるんちゃうか。

僕がSNSに感じる違和感、使い難さの原因は『我褒めは恥だ』の感覚が根底にあるから。
それは「ロックじゃない」と近い。

ってことが今回分かりました。 



クリス・コーネルが亡くなってしまいました。

R.I.P…とか呟く奴に「お前そんな好きちゃうやろ!恥ずかしい奴め!」って思う。
もっと好きで詳しい人を知ってるから自分が言ったらダメな気がする。

万事がそんな感じです。









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